2021 年 3 月 6 日(土) 第 11 回千葉県サッカー医科学研究会に参加しました。 例年本会はサッカー医科学に関する一般演題と特別講演で構成し、会終了後にドクター・ トレーナー・指導者の交流の場を設けておりましたが、今年はコロナ禍のため Web 開催での特別 演題のみとなりました。 特別講演は、成田赤十字病院 感染症科 部長 馳亮太 先生に、演題名「スポーツ関係者の ための新型コロナウイルス感染症対策アップデート」でご講演頂きました。講演は新型コロナウイルス感染症の基本的な解説から現場でも活かせる具体的な対策、 そしてワクチンの話まで、幅広くまたとても分かりやすい内容でした。 昨今のプロスポーツ競技では定期的な PCR 検査が行われていることが多く、あくまで検査の時点においては、陽性者はいない、という前提で競技は行われています。そのため競技中 またはトレーニングの感染リスクに備えること以上に、選手の日常生活において一般的に 言われているリスク(いわゆる 3 密)を避けるよう選手たちを啓蒙し、いかにしてその競技 グループ内に陽性者を入れないかが重要です。スポーツ関連で発生するクラスターの多くにおいて、選手の会食や寮生活などが発生原因および拡大要因であることが疑われており、その考えの裏付けとなっています。また、休むことが得てして怠けていることに捉われがちなスポーツ現場において、J リー グのガイドラインにも記載されている、少しでも体調が悪ければ “休むことができる文化の醸成を“ という考え方は、陽性者および濃厚接触者を競技グループ内に入れずにスポーツ活 動を守るという意味では非常に意義のある概念で、馳先生もご講演の最後のまとめで改めてこの点について強調されておられました。
馳先生のご講演 は改めて現場活動での感染対策を見直すきっかけとなり、まだまだ収束の見えないコロナ 禍において、スポーツ活動を促進するためのヒントを多く頂けました。
整形外科 遠藤 純